第2回 全国小中学校 夢さがし作文大賞

過去の受賞作品

2018年
第2回入賞作品

優秀賞

他人のために武田 若菜さん(南房総市立三芳中学校3年)

私の弟は自閉症です。今年度特別支援学校の中学部に入学しました。最近になって著しく成長し、落ち着きのある中学生になりましたが、小さい頃は怪獣のような弟であったことをはっきりと覚えています。そんな弟が今、笑顔で元気に暮らしているのは母のお陰です。

小さい頃の弟は落ち着きがなく、三秒目を離すと姿が見えなくなるような子で、いつも目立つ色の服を着ていました。横断歩道で飛び出して車と接触したり、隣の家に侵入してベットに潜り込んだり、レストランで他人の注文したものを食べてしまったりもしていました。東京駅の真ん中で仰向けになって大声で泣き叫んだときは、私は他人のふりをしていたくなったほどでした。そんな彼の味方であり、ずっと寄り添っていたのが母でした。姉や私とは比べものにならない程彼のことで苦労してきたはずの母ですが、いつも笑顔で愛を込めて弟に接していました。弟だけではなく、私達家族が母に救われ、弟と共に幸せに暮らしていけるのだと思っています。

障がいを持っている子どもでも堂々と生きられる社会を創りたいという思いを胸に、数年前に母はNPO法人を設立し、理事長を務めています。近年では放課後デイサービスを始め、従業員を雇って活動しています。他人の為に一緒に悩み、共に喜ぶ母から、多くの人が勇気をもらっています。自分を犠牲にして割に合わない仕事でも一生懸命行い、社会のために貢献することができる母を、私は尊敬しています。

私には将来の夢がありません。学校で将来なりたい職業を書く時にはいつも手が止まってしまう私ですが、将来は母のように社会に貢献できる人間になりたいと思います。他人の笑顔を守るために働くことは簡単なことではないかも知れませんが、あきらめずに明るい社会を創れるようになりたいです。

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