第2回 全国小中学校 夢さがし作文大賞

過去の受賞作品

2017年
第1回入賞作品

優秀賞

夢の扉を開けて豊村 杏子さん(佐世保市立柚木中学校3年)

私の父は歯科医。もう開院して三十年になるという。この歯科医院で父は毎日大勢の患者さんの治療に当たり、また老人ホーム等の訪問診療にも行っている。一日の診療が終わった後も、夜遅くまで仕事に勉強。でもどんなに忙しくても私達家族を明るく楽しませてくれる。そんな父を私はずっと見てきた。

あれはまだ私が小さい頃、母に用事を頼まれて父の仕事場に行った。その時にふと目に入った父の働く後ろ姿。患者さんと向き合い、懸命になって治療する父に、いつもの父とは違う何かを感じた。そして、私は決意した。「父みたいになりたい!父のように人の力になれる仕事に私も就きたい!」。
あの時父から感じたもの。おそらくそれは父の仕事に対する熱意と優しさだったのだと思う。父の背中が語らずして、私の心を突き動かしてくれたのだと今も思っている。

そんな自分の将来への思いが高まっていた私に、ある嬉しい知らせが舞い込んだ。親戚に赤ちゃんが産まれたのだ。彼に初めて会った時のことは鮮明に記憶している。抱っこすると命の重みとぬくもりがひしひしと伝わってきた。その後も会うたびにぐんぐん成長していくその子を、私はまるで弟のように可愛がった。そして、その太陽のような笑顔はいつまでも絶やさないでほしいと願った。いつしかその思いは、私の中で「小児科医になりたい」という決心と確信へとつながった。

人生の道の先には、必ず夢の扉があると私は信じている。その扉までの道程は決して平坦ではないだろう。けれど私はあきらめず、一歩一歩を着実に前に進んでいきたい。こつこつと努力を続け、経験を積み重ねていきたい。そしていつの日か夢の扉を開けた私が、父譲りの熱意と優しさで診療に当たり、元気になった子供達の輝く笑顔を見ているその時まで、私はこれからも歩み続ける。

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